暮れの赤 真昼の青 宵闇の黒 明けの紫 空虚たる白

 

鬼殺す鬼清む鬼送る鬼転ず

鬼滅する“五色”の血。

 

 

我人(ワレビト)は語る

(アア)、人ハ死シテト生リシ。

鬼ヲ駆リテ鬼ヲ狩ル者、是即チ“式鬼使イ”

 

異彩ヲ纏ウ異能ノ者。

 

 

―――― 世に相対せし人と鬼 ――――

―――― げに一双たる鬼と異能 ――――

 

死の先の妄執、生の中の苦闘

死を超える想い、生に揺らぐ心

血散らし情散らし相食む様は鬩牆(ゲキショウ)にすら似て

(アタカ)も骨肉相食む悲愴の世

 

人が骸と成り骸が鬼と生り鬼が骸と為り。

躁狂。噫、憎し愛し哀し苦し

慟哭。嗚呼、恋し痛し空し酷し

鬼が啼くも人が泣くも同じ。

 

いざや物語らむ。其は賢しくも愚か、美しくもなく醜怪。

歪み惑い、されど確かに今世に生ず

 

鬼と人との物語

 

五色物語








       〜の宴〜


            赤ノ宴
        
       
余興〜宴の前に〜






       ■一章・色無しの少年